白から始まるストーリー

ここに来るのも久しぶりだ。

あの味が忘れられずまた来ちまった。

 

「マスターやってるかい?」

「お久しぶりです。そろそろ来る頃だと思ってましたよ。」

 

「おかしなものだな。いつも毎年同じ頃に足を運んじまう。」

「ごひいきにしてくださってありがたいことです。いつものでよろしいですか。」

「頼むよ。」

 

私は立ったまま腰に手をあてグイッとそれを飲み干す。

ああそのとおり。迷いなく一気に飲み干すのさ。

 

「飲み終わりましたらこちらの部屋へどうぞ。」

 

狭い部屋にとおされ私はベッドに横たわる。

これからはじまるめくるめく世界に期待がはちきれそうだ。

 

「それでは始めます。」

 

「ゆっくり右を向いてください。」

 

「こうだな。」

私は言われるがままベッドの上で右を向く。

 

「ゆっくり息を吸ってそこで止めてください。」

 

まずはあせらず呼吸を整えろといったところか。私は指示に従う。

 

「3回まわってワンと鳴いてください。」

 

「おっと今回はいささかこちらの予想を裏切る形で入ってきたな。そんなサプライズ!嫌いじゃないぜ。」

 

「でんぐり返しして、森さん万歳!と叫んでください。」

 

「ずいぶんとはじけてるな。ここで森さんリスペクトとなるんだな。」

 

「背泳ぎして、鈴木大地金メダル!と叫んでください。」

 

「おいおい私も嫌いじゃないぜこういうの。ただこの動きを連続じゃさずがに出ちまうぜ。」

 

「ダメです!! ゲップは絶対出してはいけません!!」

 

 

 

 

今日のマスターはとてもハイテンションだった・・・

私はその指示に従うのがやっとだった。

何度、待ってくれセニョール!といいかけたことか。

 

こうして私はいつものように大腸がん検診を終え、これまたいつものように下剤を飲み干す。

 

「これがほんとの一服の清涼剤」

 

しかし知ってる人はわかるだろうが、この後が本当の勝負なのだ。

白からはじまるエンドレスストーリー

いつになったら茶にかわるのか

全米激震!

その瞬間を見逃すな!

 

 

なかなか出なくてもう一粒下剤を投入したのは私だけではないはずだ。

 

白が終わるのが先かヒリヒリする尻が持ちこたえられなくなるのが先か不安に思ったのは私だけではないはずだ。

 

そしたら忘れたころにもよおして、患者さんに「数分間寝たままリラックスしていてください」と静かに伝え、施術部屋をでたとたん、マッハの速度であわてて便所にかけこむという”ミッションインポッシブルのトムクルーズ”に劣るとも勝らないアクションをとったカイロプラクターは私だけではないはずだ。

 

そしてラストはこんなエンディングを迎えるのさセニョリータ!

aisu

 

お食事中の方はごめんねハニー(*^▽^*)

 

 

 

大腸がんで亡くなる方多いです。

皆様検診はしておきましょう。

そしてできれば病気になりにくい体をつくりましょう。

そして60になっても70になってもワイワイやれたら最高かなと思います。

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