もしもあのとき
あとひと巻きあったなら
もしもあのとき
もう一回だけ拭けたなら
今とは違う自分になっていたのかな。
あの頃の未来にぼくらは立っているのかな。
誰しも青春の1ページがあります✨
あとひとつで甲子園❗️
あとひとつで花園❗️
あと一拭きですっきり❗️
それなのに…
願いは届かず…
思いもよらない悔し涙よ?
全国9千万人の “思う存分尻ふき隊” の皆様お待たせいたしました?
我々はあの頃の思いを胸に秘め戦いへと進むのであります。
とり○んは異様な空気に包まれています。
それもそのはず、客たちは皆飢えた狼のような眼差しで長机のガラポンを睨みつけているのであります。
「もう、拭き残しはゴメンだ❗️」
「子供に一回に30㎝までよなどと言いたくない❗️」
「一度でいいから尻から火が噴くまで拭いてみたい❗️」
それぞれのシュプレヒコールがこだまします。
SPの厳重警戒の元、いよいよ戦いの火蓋が切って落とされました!
うちのお袋は鬼の形相でガラポンを回します。
親の仇かってくらいに回します。
肩関節の可動域は二十代を凌ぎます。
ウミガメの産卵が如く次々とガラポンから玉が出てきます。
「子供だましの三ツ○サイダーはいらねえ!狙うはペーパーの首ひとぉつ!」
雄叫びをあげながらさらに回します。
「まだだーっ! ふるえるぞハート!燃えつきるほどヒート‼︎ おぉぉぉぉぉ!!!!」
ピピーッ
審判員があわてて制止します。
抽選回数の玉は出たのです。
あわててお袋はガラポンから手を離します。
これ以上回そうとしたらその時点で無期限の出場停止となります。
我に帰った私たちの目の前には、トイレットペーパーが誇り高く積まれていました。
敵もさる者、三○矢サイダーの顔も見受けられます。しかしながら暑い夜こいつで喉を潤すのも乙なものです。よしとしましょう。
我々はとりせ○を後にします。
しかし次の戦いはすでに始まっているのです。
やらなければやられるのです!
尻が拭けんのです!
どげんかせないかんのです!
束の間の休息の晩餐は、戦利品のケチャップをかけたオムライスになるであろうことはいうまでもありません。